この記事は日本の四大冤罪事件の
一つでもある財田川(さいたがわ)事件の
情報についてまとめたモノです。
極刑が確定して冤罪が発覚した事件に
財田川(さいたがわ)事件があります。
かつてこの事件に人生を賭けて
取り組んだ人物がいました。
弁護士の矢野伊吉さんです。
矢野伊吉さんは当時の判事だった立場を投げ打って
真実を求め弁護士となって当時受刑者だった
谷口 繁義(たにぐち しげよし)さんの
再審請求をし、そしてその後無罪を勝ち取りました。
そこには飽くなき正義の精神が・・
そして一体真犯人は・・
アンビリバボーで財田川(さいたがわ)事件が取り上げられる
1950年の事件なのでもう半世紀以上前の事件が
なぜ今頃・・という感じですが
実はこの事件を人気番組
「アンビリバボー」が取り上げました。
日本四大冤罪事件として
免田事件・松山事件・島田事件と
この財田川(さいたがわ)事件があります。
今回財田川(さいたがわ)事件を取り上げたのは
事件の真相を追い求め
人生を賭けた決断をした弁護士の
矢野伊吉さんをフィーチャーする為です。
一体矢野伊吉さんの下した決断とは、
そして冤罪を勝ち取った
財田川(さいたがわ)事件。
真犯人は誰なのか?
財田川(さいたがわ)事件とは?
では、そもそも財田川(さいたがわ)事件とは
一体どんな事件だったのか?・・
1950年に香川県三豊郡(現三豊市)で起こった
事件で強盗の上命を奪ったという酷い事件でした。
闇米ブローカの男性が全身を刃物で
傷つけられるという凄惨なもので、
現金1万3千円が奪われるという事件でした。
この事件で当時【財田の鬼】と呼ばれていた
不良の二人組が逮捕されそのうちの一人が
後に極刑判決を受ける
谷口 繁義(たにぐち しげよし)さんでした。
谷口 繁義(たにぐち しげよし)さんは
アリバイを主張しましたが疑惑が残る部分が
あった事から警察の厳しい拷問による
取り調べで自白をしてしまいました。
裁判中には自白の強要とアリバイの成立を主張した
谷口 繁義(たにぐち しげよし)さんでしたが
最終的に最高裁に上告を棄却され極刑が確定されました。
ふとしたきっかけで高松地裁矢野伊吉裁判官が動いた!
刑が確定してからしばらくして、
谷口 繁義(たにぐち しげよし)さんは、
ある新聞記事から
当時の技術で新たに
古い血液で男女を識別する技術が開発された事を知り
当時決定的な証拠となった
「ズボンに付着した血液の再鑑定をおこなってほしい」
という事を高松地裁に手紙で送りました。
これが昭和39年の事です。
5年の歳月が経ち、昭和44年。
ふとした事からその手紙を当時高松地裁丸亀支部長の
裁判長の矢野伊吉さんが発見します。
矢野伊吉さんは手紙の妥当性を感じ再審請求に
動き出しました。
しかし、こんな事と言ってはダメなのかも
しれませんが、
すでに刑が確定している受刑者からの手紙。
しかも極刑。
ただの命乞いとは思わなかったのでしょうか?
そこからも矢野伊吉さんの「真実」を追い求める精神と
正義を追求する志が見てとれますね。
再審反対運動の世論を相手に矢野さんの下した決断とは!?
早速再審請求の手続きを始めると
極刑が確定した人間の単なる手紙だけで
再審請求なんておかしい!という
民衆の反対運動を受け、矢野伊吉さんは非難の嵐に
晒されます。
普通だったらここで、
「いやぁ~ここまで反対勢力が大きいと無理かな」と
今後自分叩かれる事を警戒して
辞めていると思いますが、
ここでなんと矢野伊吉さんは自身の人生をも
左右する重大な決断をする事となります。
その決断とは・・
判事を辞め弁護士となって
谷口 繁義(たにぐち しげよし)さんの
再審請求に着手しました。
いやいや、・・・
いや~~~
中々できません。
確かに弁護士になったからといって
我々庶民からは
「別にそんな大差ないやん」って思われそうですが、
ある意味判事は法曹界のステータスとも言える
身分ですし、正直弁護士は少し、ランクとして
落ちる位置になります。
しかもその段階で再審が通るとも限らないので
万が一、ダメだったらそれはそれで
ダメな弁護士の烙印を押されてしまいます。
全くの他人の為にさすがにこれはできません。
「真実」が矢野伊吉さんを呼んだとしか
言いようがないでしょうね。
矢野伊吉弁護士の再審請求が通り無罪確定!
弁護士となった矢野伊吉さんが再審請求をすると
様々な真実がどんどん浮かび上がってきました。
自白の強要の事実
物的証拠のねつ造
谷口さんのアリバイの成立
調書不正作成・・
出るわ出るわ。むちゃくちゃですよね。
で結局
谷口 繁義(たにぐち しげよし)さんを犯人とする
合理性に欠けるという事で
見事無罪を勝ち取りました。
そして、この事件を本として執筆。
「財田川暗黒裁判」を出版。
この出版が世論を味方につける
いいきっかけになりました。
本当に良かったと言いたい所ですが
谷口 繁義(たにぐち しげよし)さんが
拘束されていたのは34年間。
その時間はいくら無罪になったからといって
返ってはきません。
確かに真実は明らかになったのですが
気分的にはもやっとしますよね。
しかも矢野伊吉弁護士は
無罪が言い渡された前年に
病気で他界していました。
この事を聞いた時
私はなんとも言いようがない
虚しさを感じてしまいました。
確かに天国で無罪を
喜んではいると思いますが
ホントに全てに関して後味の悪い
事件でしたね。
アンビリバボーの放送では矢野伊吉弁護士の
裁判官から谷口さんを救う為に
弁護士になる決断を話した時の家族の対応も
再現していました。
家族全員が当然反対していましたが
まぁ普通に考えると当たり前ですよね。
でもすごいのが
最後に奥さんが「あなたの決断についていきます」
といった場面。
矢野さんもすごいけど
この決断は矢野さんだけではなく
知られざる家族全員の決断なんだなぁ
と番組を見ながら再認識しました。
では真犯人は一体誰?
谷口 繁義(たにぐち しげよし)さんの
無罪が確定したという事は
この事件の真犯人がまだいるという事です。
しかし半世紀以上も経過したこの事件。
すでに真犯人もこの世にいない可能性もあり
その後明らかにはなっていません。
そして恐らく今後もないでしょうね。
まさしく真相は藪の中という事です。
まとめ
いかがでしたか?
今回はアンビリバボーで取り上げられた
冤罪事件の裏側。
矢野伊吉さんの人生を賭けた決断について
書きました。
今もいるかもしれませんが
昔は矢野伊吉さんの様な
ただただ真実や正義を追求する
法曹界の人って多かったんでしょうね。
事件を通してやりきれないものでしたが
矢野伊吉さんの熱い心だけは感じられて
それだけがなんか救いに思いました。
最後までお読み頂き有難うございました。